2010年4月22日木曜日

日本生命の「みらいサポートEX」はお勧めか?


日本生命の新商品 ニッセイみらいのカタチ「総合医療保険」についてはこちらをご覧ください。



定期付終身保険として、日本生命の「みらいサポートEX」、明治安田生命の「元気のみかた+」をとりあげます。
50歳(男)として試算しています。

【みらいサポートEX】 保険料47,610円(70歳満了)
○終身保障 入院1万円(124日型、特定疾病時2万円)
療養一時金5万円(62日型の選択、療養一時金の取り外し可)
手術5~20万円
終身保険10万円

○定期保障 死亡高度障害 490万円
3大疾病 500万円
要介護 500万円
(定期保障は10年間であり、更新時は保険料が上がります。)

【元気のみかた+】 保険料11,859円
(70歳満了、がん保険料払込免除特約)
○終身保障
入院日額 5000円(180日型、通算1095日)
終身保険 50万円

○定期保障(10年ごと自動更新、更新後保険料はアップします)
入院治療保障特約Ⅲ型(保険診療の自己負担全額を保障(差額ベッド代等は出ません)、Ⅲ型は1回90万円が限度、通算600万円まで)
先進医療保障(技術料と同額を保障、通算600万円まで)

ここで、生命保険文化センター資料より、胃ガン脳梗塞で入院した場合の自己負担額と各保険からの給付額を比較してみます。

【胃ガンで26日入院した場合】
自己負担額       467,671円
みらいサポートEX 5,970,000円(推定)
元気のみかた+      924,240円(推定)

【脳梗塞で51日入院した場合】
自己負担額       548,973円
みらいサポートEX 6,250,000円(推定)
元気のみかた+   1,125,276円(推定)

さて、以上の給付額についての私の感想です。
開いた口が塞がりません・・・

「みらいサポートEX」については、自己負担額の10倍も給付があります。
本来必要な保障は1/10で十分なのに、10倍も高いものを買わされていることになります。

よくもまぁこのような保険を設計するもんだと感心すると言うか、あきれるばかりです。
契約者側のことをまったく考えない、会社側の必要性に応じて設計しているとしか思えません。

「みらいサポートEX」については、保険料総額が1200万円を越えると思われます。
必要もない死亡保障や手厚すぎる三大疾病保障、そして推測として高い付加保険料のためにこのように高額な保険料となっているのです。

この保険料の半分でも満期に戻ってくればまだしも、そのほとんどが掛け捨てですから、70歳時点では、大半の手厚い保障がなくなり、一円も戻ってきません。
保険に入る時に1/10の保険料にして、残りを貯金していれば、1000万円ぐらいは貯まっていたはずです。

明治安田生命の「元気のみかた+」については、給付額が実際の自己負担額の2倍あり、その分不要な保障と言えます。

医療リンクの「入院治療保障特約」は、健康保険の自己負担3割分がこの保険から全額給付されますから、医療費を気にせず療養に専念でき、よい特約だと思いますが、高額療養費制度からの給付を考慮すると、医療費が高額な三大疾病などの場合は、実際の自己負担額は10%程度に下がるため、ここでも手厚い(大いにムダな)保障と言わざるを得ません。

その他に私が問題だと思う点は、入院日額5000円が主契約で医療リンクが特約という点です。
お客様の要望としては、終身医療をメインとして契約する以上、医療リンクを主契約とすべきだと思いますが、終身保障をなるべくしたくないと言う会社の都合が優先された設計となっており、この点は極めて残念です。

生保大手の保険商品については、FPとして何の魅力も感じません。
日本生命はブランド力に頼ったCMと営業をしていますが、商品に魅力がないかぎり賢い今の消費者から捨てられる日はそう遠くないと思います。

最後に裏事情として、1990年代に契約されたお宝保険が逆ざやとなり、大手生保を苦しめています。この解消のため各生保は全力をあげて「契約確認訪問」をしています。

その際の提案商品として「今の保険をEXに乗り換えると割引があります。」と言って乗り換えを進めているのです。決してだまされてはいけません。
(各保険の保障内容や給付額については、勘違いや間違いがあるかも知れませんのでご了解願います。)



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