2013年9月1日日曜日

アフラックの研究(その2)

(グラフはクリックすると拡大します。)

1 新契約の状況

 24年度の新契約件数(個人保険分野計)は23年度に比較し約3万件(-1.8%)減少したものの、20年度以降は年率5.4%程度で成長をしています。

新契約が伸びている主因は、終身保険他が21年度以降年率37%という驚異的伸びを記録しているためです。

この主力が終身保険のWAYS(ウエイズ)であり、高い利回りを武器に銀行などの窓販を通じ急速に伸びています。

 一方がん保険及び医療保険については「Days(デイズ)」や「もっと頼れる新EVER」などのてこ入れも効果無く、新契約は60万~80万件で低迷しています。

この結果、24年度末、がん保険約65万件、医療保険約56万件、終身保険他約54万件とこの3種類の保険が新契約件数ではほぼ横並びとなっています。



2 年換算保険料(新契約)

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このグラフより、驚くことにアフラックの稼ぎ頭は第3分野(がん保険+医療保険)ではなく終身保険他となっています。

第3分野の保険料収入は5年連続で前年割れとなっています。

アフラックはがん保険や医療保険のCMに巨費を投じていますが、このグラフを見る限りCMの効果はあまり無かったと言わざるを得ないのでは?

WAYSはCMを流さなくても銀行などが一生懸命売ってくれ、医療保険のように給付金の支払いに手間暇かかることもないので、アフラックとしては楽ちんな儲かり商品のようです。
(その分銀行などにはとても魅力的な手数料が支払われています。)


3 保有契約の状況

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なんと言ってもアフラックは個人保険保有契約件数2257万件、業界1位の会社です。

その主力はがん保険であり、この分野のシェアは75.3%もあります。

社内においてもがん保険が保有契約件数の65%を占めます。
(医療保険は23%、終身保険他は12%)

しかしこのグラフが示しているのはがん保険の保有契約件数がまったく伸びていない現実です。

個人保険分野計は年率約3.3%で伸びていますが、この主力は医療保険が年率約12%、終身保険他が21年度以降年率約18%で伸びているためです。

このことを新契約との関係で考えると、

保有契約件数の増加分=新契約件数-解約件数

となりますから、この考え方より独自に解約率を試算した結果は次のとおりです。


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保険業界の方にとっては興味深いデータではないでしょうか。

まずこのグラフから言えることは、がん保険については24年度解約率がほぼ100%となっていることです。

つまりがん保険については自転車操業状態であり、65万件の新規契約を取っても解約が65万件もあるため、保有契約がまったく伸びないのです。

23年度にDAYSを発売していますが評判の悪い商品のためなのか解約率は急増しています。

(もしかしてアフラックとしてフォルテからの乗り換えを進めているのかも知れませんが、契約者にとっては有利な商品から不利な商品に乗り換えさせられ、保険料もその年齢で計算されるので、もしそうならまさしく踏んだり蹴ったりの扱いと言えます。)

医療保険の解約率も50%ラインに近づきつつあります。

終身保険についてはリーマンショック時に解約率が急増していますが、この保険を契約する目的が長期の資産形成にあるので、現状では20%程度と安定しています。


つづく


アフラックの研究(その1

アフラックの研究(その3

アフラックの研究(その4